(福岡市西区太郎丸)
田んぼのなかにひっそりと佇む、素朴な道祖神。でも、子宝にすこぶる利益があるとの謂れがあるそうです。
周船寺から九州大学伊都キャンパスへ向かう田園風景のなかに、ポツンと朱色の鳥居が見えます。道路沿いに看板があり、”久町様”の名で祀られている道祖神であることがわかります。
久町様の子宝伝説
ここより東へ約25mの田んぼの畔にいらっしゃいます久町様は、瓜の形をした石にお宿りなされた道祖神です。可也山を西にのぞむ瑞梅寺川の河口付近、久町という地名の田んぼに、ひっそりと鎮座されておられます。
その御神体は、子どもに恵まれぬ女性に子宝を授ける、霊験あらたかな神様と、昔から近郷の村人に伝えられています。
今でも真夜中、不妊に悩む女性が訪れ、ご神体にしゃがみ、願をかけておられます。そして子宝を授かった女性がたくさんいらっしゃいます。
久町様は、子を望む女性が近くを通るだけでも子宝に恵まれると伝えられています。
瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ 何処より 来たりしものぞ 眼交に もとな懸かりて 安寢し寝さぬ
銀も 金も玉も何にせむ まされる宝 子にしかめやも 万葉集より 山上憶良
久町様保存会
看板をみるに、近隣の人々から大事にされてきたということがわかります。”久町様は、子を望む女性が近くを通るだけでも子宝に恵まれると伝えられています。”ってすごいご利益の力だな…と現地で看板を読んだときは思って感心していました。そりゃ、大事にされるパワースポットだなぁ。。
ですが、こうして解説を引用してみると、真夜中に田んぼの真ん中の久町様にお参りするのってかなり怖くない?という疑問が湧いてきて…。
なんでわざわざ真夜中に?
!…
まさか、しゃがむってこのご神体の上にってことなのか。
人目をはばかられるので、真夜中にやってきて切実に子宝を祈願するってことなのか。。。
そして無事に子宝を授かった人たちからの感謝の念によりこうして保存会が…。
わかったよ保存会さん。道祖神のご利益と意義が!「言葉」でなく「心」で理解できた!
看板にある祈願方法もありますが、昼間にお参りして撫でるだけでもきっと十分にご利益はあるのではないかと思います。伝説になるほどのご利益がある素朴なパワースポットなのでした。