(福岡市博多区店屋町)
大博通りにひっそりと佇む、とっても珍しい2連式の手漕ぎポンプ。
福岡大空襲や渇水の際に人々を支えた井戸は、周辺から敬意をこめて『おポンプ様』と名付けられました。
私も通りかかって発見した際には『なんだこれ!?』と驚きました。
記念碑的なものかと思いきや、井戸は涸れておらず今も健在に汲み上げてくれます。
でも手漕ぎポンプなのでしばらく漕がないと水はでません。(ちょっと恥ずかしい…。)
となりのトトロのサツキになったつもりで気長にこいでみましょう。
『よ~くこぎな、水が冷たくなるまで…』
おポンプ様
このポンプは本体に鋳型で彫り込められた文字から「二聯ケーボー號津田式」と判読される。この二連式手押しポンプは第2次世界大戦から昭和27~28年頃に全国で愛用されていたポンプで、この30数年間まったく製造されていないようで、当時のメーカーも今はない。単式のものは製品としても残存するが、この二聯(常用漢字では「二連」)式は非常に珍しいものです。
案内板より
O-Pump-sama(”Honorable”Pump)The pump’s cast body is embossed with ni-ren keibo-go tsuda-shiki.Pumps of the ni-ren(dual)type were first manufactured during World War Ⅱ and used extensively nationwide untill about 1952-53. They have not been manufacturer is no longer in business.There are still a few single-type pumps in service,but the dual-type is now extremely rare.
ひとつの吐水口にポンプが二つ付いているので、これは通常の手漕ぎポンプに比べると2倍の水量のくみ上げ能力がある、ということなんでしょうね。このあたりに上水道が整備される以前、近隣に住む人が多くてたくさんの水が必要だったということかもしれません。博多祇園山笠が駆け抜ける際の勢水(きおいみず)もこのポンプから汲みだしていたのだろうと想像します。
なお、近くに他にも現役の手漕ぎポンプの井戸が残っていました。町家にすむ人々の生活の名残を感じれらますね。
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