「アタゴノケーブルカー」 山上駅跡


(福岡市西区愛宕)

西区の景勝地、愛宕山。愛宕神社からの眺望は博多湾を一望できます。今は車道が整備され上まで車やバイクで容易に登れますが、自動車が普及する以前の昭和初期にはケーブルカーで上り下りができたとか。なんと日本でも二番目の設置で当時はかなり珍しかったようです。世相もあって戦時中に取り壊されてしまったのですが、今も駅の遺構が残っています。

博多岩井屋さんの横から登っていきます。

愛宕山ケーブルカー跡地

 この愛宕神社境内地である丘の上より明治通り愛宕下までを日本で二番目、九州初となるロープウェイ(当時はケーブルカーと呼ばれていました)が、愛宕神社参拝用として結ばれておりました。昭和三年春、現在の太宰府市に住んでいた豪農故西山三郎氏を始め有志数名が発起し「愛宕索道」を創業。八人乗りの箱型の二台のロープウェイによる二分間の空中遊覧は窓からの佳景や物珍しさから参拝者、観光客、修学旅行の学生達等が訪れ大変に賑わっておりました。

 その後、経営は西山三郎氏から長女・結城夫妻に引き継がれ更なる賑わいと共に年を経ました。しか時代が変遷し戦時中、男性従業員が徴兵され、さらにロープ・ワイヤー・車体までも供出せざるを得ない状況を迎え、昭和十八年、開業以来十五年をもって多くの惜しむ声の中、ロープウェイはその姿を消す事になったのです。

以後、年を経るに従い次第に人々の記憶からその姿は失われ、その存在した事実を知る人も数少なくなってしまいました。よってここにロープウェイ開業七十周年を記念し後世に語り継がれることを願い運行の証となる案内板を設置申し上げます。

     平成十年十二月吉日

 日本三大愛宕・福岡観光名所 愛宕神社 宮司 千代浩二

現地案内板より

ところどころに解説の立て看板が整備されているので、遺構と合わせて往時を偲ぶことができます。

ロープウェイ動力室跡
ここにゴンドラが入ってきて昇降していたんだろうなというのが見て取れます。

愛宕の森と緑を守る会さんの活動によって、詳細な看板が設置されています。

こちらは、ホームページも充実しています。

https://atagoforest.wixsite.com/home/ropeway

で、案内に従って音次郎稲荷神社にも下ってみます。

社務所をおたずねすると、親切な世話人のかたがケーブルカーについても教えてくれました。拝殿奥の山手のほうをごらんなさいとのこと。よーく目をこらすと、世話人の方がつけた赤い布の目印が木々のなかに見えます。なんでも、ちょうどあのあたりがロープウェイの通り道で、支柱があったあたりなんだとか。とても歴史に詳しい方で、歴史よかとこ案内人のボランティア活動もされていたのだとか。いろんな話を聞かせていただき、楽しいひと時はあっというまに過ぎてしまいました。

よーく見ると、赤い何かが見える。
世話人の方がつけた赤い目印。ちょうどあそこにロープウェイの支柱があった跡だそうです。
明治通り沿いのこのあたりにロープウェイの駅があったらしい。
夏場のかき氷。花火付きなのがおもしろい。冬は岩井餅やぜんざいとコーヒーがおすすめ。

調べていると、京都の嵐山にも”愛宕山ケーブルカー”があったようですが、あちらも廃線となっているようです。どちらも往時を偲ぶ遺構が残るのみですが、こちらのように有志の方がよすがを残してくださると、こうして巡ってみて探訪もできますね。活動に感謝いたします。

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