(佐賀県唐津市半田)
唐津湾、虹ノ松原を一望できる鏡山。登ってみると実は展望台も数か所あり、松浦佐用姫像があるメジャーな展望台とは反対側の森の中に、ひっそりと(でもそれでいてやたらと立派な)道祖神が祀られ、民俗信仰が息づいています…。
鏡山のふもとの大鳥居をくぐり、つづら折れの道を登って駐車場に入る。松浦川やボートレースからつが見渡せる鏡山展望台とは逆方向に歩くと、鏡山愛染院の奥に道がある。
愛染院の奥の森の中にひっそりと、しかし天を衝くが如き道祖神が佇んでいます。
全国各地に点在する石の道祖神ですが、九州では特にアミニズム的な男根や和合石が多い印象です。夫婦の和合や子宝を祈願して建立されたり、謂れがあったりするようです。
鏡山道祖神の由来 俗称さやんかみ
道祖神は日本における原始神のひとつである 巨石をもって象徴され街路に座して悪霊を防遏(※ぼうあつ:ふせぎとめること)する威力を有する神とされ即ち男女の生殖を象って神体とし男女 下症の平癒 良縁 出産 家庭円満 商売繁昌 幼児守護 又旅行者(旅人)安全の神として村々の境界坂の上り口等に祀られてきた
特に家庭円満の基礎は夫婦(男女)の営みの成功(性交)に依るものであり精力の限りを尽くして努力し打てし止まぬの不屈の行為が子供(金)を生み出す力となり子々孫々の繁栄をもたらす原動力となり商売繁昌の道しるべとされた
命婦十一面観世音菩薩 祈神奉寶
現地由緒より
唐津は鏡山の頂にそびえます、なんとも立派な道祖神ですね。比較的新しいものなのか作りこみがすごい。制作にあたって並々ならぬほとばしる情熱を感じます。足元を見回すと…こちらに祀られる元祖っぽい道祖神。
何年か前までは奉献由来の看板があったのですがなくなってしまっています。ネット上に残されていた画像から解読すると…(しかも何パターンかあり)
奉献の由来
昭和二十八年の大洪水 所謂二十八水で一級河川安良川水位も高くなり数か所で堤防が決壊した。
脇 俊道 所有 岸田(畑)三一二-一(一,一一五㎡)も例外でなく二十九年頃修復作業中発見全員の者が粗末には出来ない川の守護神であるだろう、どこかに奉納しようと話が決定した。
五十九年に県議宮崎 茂氏 唐津市半田夫作 青木淳一氏の熱望により鏡山に奉納することに決定した
寄贈 鳥栖市 脇 俊道 昭和五十九年三月
由緒書き過去画像より
由来を辿ると、昭和二十八年の水害で決壊した佐賀県鳥栖市の安良川流域の岸田(現在、岸田橋と名の付く橋がある。九州電力送配電の鳥栖変電所の南側あたり?)周辺の復旧作業中に、どっからどうみてもありがたい姿の巨根・・・じゃなくて巨石がでてきたので、きちんとお祀りしよう。どこがいいだろうか?となり、発見から30年余の時を経て鳥栖から背振~北山~天山をも超えた反対側の鏡山に祀られることになったようです。ここにお祀りされたのは約40年前と比較的新しかった…。
となると、もともとの和合石な道祖神があったと思われますが、よくよく心の目を開いて見回らないとよくわかりません。また散策してリサーチしたいですね。実は鏡山、大迫力の佐用姫像と恋愛成就の佐用姫神社とか、神功皇后ゆかりの”とにかく岩”とか気になるスポットがまだまだあります。また、鏡山道祖神を祀るのは真言宗のお寺、愛染院。命婦十一面観世音菩薩が御本尊のようですが、あまり情報がありません・・・。でも、道祖神のさらに先には、奥の院と呼ぶべきか霊場エリアが広がっています。
断崖のなかにある石扉に向かって参拝できるようになっている。いすのまちのこっしーの”モミやん”みたいなマッサージチェアがなんとも昭和レトロ。
(でもホコリでまっしろになってたから座る勇気はありませんでした・・・)
でっかい松浦佐用姫像。
こちらは佐用姫神社。
九州には和合石の道祖神が多い…というのも、鏡山の北東にある唐津市浜玉町の諏訪神社にも道祖神しっかり祀られています
唐津市は七山にも・・・
西区元岡にも、こちらに比べるとだいぶ可愛らしい(だがしかし、保存会によると子宝祈願の霊験あらたかだという)道祖神(愛称:久町様)が鎮座しています。
福岡市は城南区鳥飼にも。巨大ではありませんが、一目でソレとみてわかる立派な道祖神。十三佛毘沙門天、八大龍王、ヒンドゥー教のガネーシャと夢の霊場コラボ。
熊本にも有名な神社があります。以下参考にさせていただいているサイト。
日本珍スポット100景様の弓削神宮↓
https://bqspot.com/kyushu/kumamoto/17615
浮気封じの釘メッタ刺しのディルドが痛々しいですね。。ハリセンボン状態やん。
野芥縁切り地蔵に通じる強いオーラを感じるような感じないような…。
いずれの道祖神も力強くそそりたっておりました。。。
あらたに発見次第紹介していきます。。。